ソウル再び!HOTな旅

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3日目    08年8月12日(火) 扶余,公州 史跡巡りツアー



今日はツアー参加の一日となる。ソウルから南へ約170Km程離れたチュンチョンナムド(忠清南道)にある、プヨ(扶余)コンンジュ(公州)を訪ねる。

 昨晩のうちに偵察を済ませてあるロッテホテルのツアー待合室に早めに到着すると、チャングムツアー、冬ソナツアー、ソウル市内ツアーなど沢山の日本人観光客が次々と出発していく。

 しんがりの登場は我らがガイド、チョン(全)さんである。
 チョンさんの点呼のあと一行は車体脇に「百済浪漫号」と大書された派手なバスに乗り込む。
 このコースには観光政策で補助金が出ているようで、バスのペインティングにも金が掛かっているらしい。ソウル釜山に次ぐ第三の観光地を標榜しているといった雰囲気が伺える。
 ちなみに、広州市は大学や工業施設の誘致、そして百済遺産を活用し、産学観共に成長と活躍が期待されているということである(車内放映のVTR受け売り)。
 2日間、強い雨も降られずに済んだが、今日は朝から今にも泣き出しそうな空模様である。

 ガイドのチョンさんは、相当歴史や考古学に造詣が深いようで、微に細にわたり滝が流れるようなその饒舌な説明が絶えることがない。
 何と百済の豪族の末裔であるらしく、その時代に産まれていればコンジュニム(姫様)だったという笑い話付きはご愛敬。
 姫様の話が熱を帯びる中、バスは高速道路をひたすら南下する。
 今回初めて知ったのだが、ソウル近郊の韓国の高速道路は片側4車線で、その一番左側がバス専用路線になっている。4車線もあるのは軍事利用前提ということで納得だが、ちょっとオーバースペック気味の1車線をバス専用にしたことは賢明である。日本に比べれば高速バスの利用者が多いようで、網もよく整備されている。乗客にとっては大変利便性がある。自家用車で行くよりバスのほうが早いので益々渋滞解消になるという訳だ。


 河のほとりにバスが駐まる。白馬河の渡し船に乗り、対岸の扶蘇山にある皐蘭寺へと向かった。
 百済最後の都として昔日の栄華を忍ばせる遺跡と、霧雨に煙る白馬河の風情が良く似合う。それにしても何と日本的な風景であることよ。
 観光用だが帆船が似合ってる(帆はダミー) 坊主以外はやはり韓国的
 解説に熱のこもるチョンさん 壁画が美しい 
  遺跡の寺もノートPCが活躍 LAN線付き 
韓国で犬を見かけるのは珍しい(食べちゃうから?)  船着き場へ戻った

 犬食について補足。ケ(犬)は韓国人にとって食糧である。もちろんペットとしての犬もこのように存在はするが、犬鍋はポシンタン(補身湯)といって滋養満点、肉体疲労や産後に良いとされているらしい。ソウルの街中を歩いて犬鍋の店をあまり見なかったのは、ソウルオリンピックの際に国際的な観点から犬食を恥じて裏通りに店を追いやった結果らしい。
 そういえばソウル市内では犬だけではなく猫も全くと言ってよいほど見かけなかったが、実は猫食もあるのか?
(こちらは根拠なし)
 国立扶餘博物館で、百済の遺物を観覧した後、昼食は広州市内(たぶん)にある、ペクチェウェチブ(百済の家)という店でサムパプを食べる。ご覧のように葉っぱとおかずがどっさり出てくる。焼き肉を葉っぱに包んで食べるというのは焼き肉屋でよくあるスタイルだが、おかずがこれだけあると一緒に包みたくなるものだ。だが、本家サムパプはご飯と焼き肉だけを葉に包んで食べるのが正式だそうだ。青トウガラシを丸々1本囓ってみたが、あまり辛くなくて美味しい。調子に乗ってもう一本囓ったらこちらは激辛。どうやら獅子唐辛子のように当たり外れがあるようだ。
 食事の後は宋山里古墳群にある武寧王陵を見学する。武寧王の墓については午前中の最後に訪れた国立扶餘博物館で、ガイドのチョンさんが熱く説明をしていた。一般の日本人にとってはさほど関心を寄せるものでも無さそうだが、武寧王陵の発見は韓国人にとっては考古学的に大変意義深いことのようである。
 次の訪問地はコンサンソン(公山城)。ここでは、韓服を着て記念撮影というちょっと下世話な企画が組まれていた。まぁこれはこれで楽しめたのだが、本当に撮影のみで早足で終わってしまった。自分としてはエキゾチックな雰囲気の城郭を一周出来なかったのが残念だ。
 韓服を手に撮影ポイントへ向かう一行 ガイドさんが着付け?もやってくれる 
 一応3人並んでハイポーズ!

 後ろからぞろぞろやってきた小学生達が、「イルボンイルボン」(日本人日本人)と口にしていたのが聞こえた。まぁ確かに日本人じゃないとこういう事はしないかもしれない(笑)


 それにしてもだだでさえ蒸し暑くてサウナの中にいるような感じなのに、服の上に重ね着するもんだから超暑い(^^;

 ツアーの全行程を終えてソウルに戻ったのが夕方の5時を少し回った頃。予定では8時位までかかる筈だったが、帰路の渋滞などなく、図らずもおまけの3時間を得ることが出来た。

 食事を明洞でとろうということになり解散場所のロッテホテルから徒歩で移動する。家内と娘が途中の店に顔を突っ込んでいる間暇だったので、ソウルっ子がせわしなく行き来するバス乗り場の風景を暫し眺めた。

 バスも一度乗ってみたいが、流石にスピード感があって敷居が高そうである。

 食事はここまで常に行き当たりばったりだったので、一ヶ所くらいはガイドブックコテコテの店に寄ろうということで、明洞オモニチプへ足を運ぶ。店の名前は「ミョンドンお母さんの家」という明快でいかにも日本人受けしそうななネーミングである。この店のCMが載っていないガイドブックは無いと断言出来る程メジャーな店であり、日本人の集客をかなり意識している。ここで出されるヘムルタン(海鮮鍋)は有名である。


 今回の旅行で一番豪勢といえば豪勢。値段も韓国としては豪勢かな? 幾らか日本人価格の匂いがプンプンするが、まぁ旅の土産話しとしてこれも良いだろう。


 お味の方はマシッソヨ(美味しい)!チャプチェの春雨がちょっと固いのには参ったが、味付けはなかなかである。ヘムルタンは海鮮の出汁がよく効いていて自分好みの味だ。チゲ鍋一般が激辛なのに比べてこのへムルタンはあまり辛くないと思いきや、スープを直接口にするとスッカラ(韓国スプーン)の底に刻んだ細かい唐辛子が沈んでいることに気付く。ゴクっと一口。韓国らしい爽やかな辛さが拡がり、クセの強い香草が一層味を引き立てる。日本にはこういう刺激的な味わいはまず無いだろう。
 ヘムルタン煮込み前 ヘムルパジョン(海鮮ネギチヂミ)
 チャプチェ ヘムルタン出来上がり 湯気が食欲を刺激する 

 帰りはナムデムン(南大門)に寄り道をしてプチ買い物を楽しむ。

 2年前に来た時は昼間だったが、電球に照らされる夜のアジュマ(おばさん)の顔は気のせいか随分穏やかな感じがした。
 道の真ん中で、ちぎり餅を広げて売っている老人が先ほどからこちらを飽きずに眺めている。とかくせせこましい印象のナムデムン(南大門)だが、違った一面を垣間見る事が出来た。
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