作 者:吉住 渉 全巻数:2巻 出版社:集英社 初版年:1996年10月 |
高校2年まで女の子に興味のなかった十時集(とおときあつむ)は転校生の栗原朱音(くりはらあかね)に恋をする。
ところが、朱音はかつて入院した先の病院の医師、橘川(きつかわ)と結婚していたが、今はバツイチ。集はそんな朱音と友達として付き合おうと決意するが、心は揺れ続ける。
製薬会社との癒着スキャンダルに冤罪で巻き込まれた橘川は、地方の診療所へ左遷されることになった。過去を忘れ去ろうとしていた朱音だが、同情と愛の区別に苦しみながらも橘川と共に往く決心をする。幸い冤罪は晴れたが、橘川は朱音とヨリを戻せたのきっかけに再婚しようとする。集は揺れる朱音の気持ちを感じ、婚姻届を出しに行く二人の乗った車を追う。
時々コミカルな落ちを入れなが、軽くならず重くならずで2巻というボリュームのなかうまくまとまっていて、結構面白い。「ハンサムな彼女」に比べると随分現実味のある素材であるところも読み手の感情移入を誘うかもしれない。
吉住渉の描く女の子は結構好みなのだが、主人公の朱音は、ここの背景や表紙画よりも作品本文中のいろいろな表情のほうがGood!
また、主人公二人(集と朱音)のそれぞれ弟、妹(ともに小学生)も登場してくるが、脇ネタで結構楽しい。