ハンサムな彼女

    作 者:吉住 渉
    全巻数:9巻
    出版社:集英社
    初版年:1989年6月
ハンサムな彼女


 四葉学園芸能科に籍を置く萩原未央(はぎわらみお)は女優。そして友達の沢木彩(さわきあや)はアイドル歌手。
 未央、彩と二人の幼馴染で憧れのアイドル俳優、森本輝臣(もりもとてるおみ)の3人が共演することになったドラマの演出に、アメリカ留学帰りで未央と同い年の熊谷一哉(くまがいいちや)が加わることになる。

 一哉は未央のことを密かに想っていたのだが、情熱の全てを傾ける映画作成の為に未央を女優として、素材として見ようと努める。
 一方、未央のほうはそんなシャイな一哉にどんどん惹かれていってしまうが、一哉と彼の仲間達の自主製作映画の主役になることになり、女優と監督という立場がますます二人のすれ違いに・・・


 5巻(第一部終了)で一旦ハッピーエンドを迎える未央と一哉だが、6巻以降でもう一波乱がある。
 1巻で話が始まった時、未央達は中学3年生。さすが芸能界ネタだけあってみんなオマセ。ストーリーとしては特に伏線や、仕込みのあるキャラクタの登場も無く訥々と話は進むが、泣いて笑って恋をして、案外切り替えが早い主人公の未央のスタンスがある意味軽くて現代的で現実的で、読者層の共鳴を得ているツボかも知れない。
 いや決して悪い意味ではないのだが、それなりに盛り上げてるところもあり、繊細な心の痛みをさらりと描いて話を進める部分は吉住渉の作風なのであろうか。

作成:01/11/17 加筆修正:02/05/04

当ページの画像は、吉住 渉作、集英社発行の「ハンサムな彼女」7巻,9巻よりスキャンして使用しております。他に転載及び使用されることは堅くお断りします。