作 者:水沢めぐみ 全巻数:4巻 出版社:集英社 初版年:1995年12月 |
鈴木奏(すずきかな)と柴田航生(しばたこうき)は幼稚園時代に両思いの関係。引越しで航生は北海道へ行き二人は離れ離れになる。
奏は中学2年になっても航生のことが忘れられずに片時も想わずにいられない。そんなある日、航生が北海道から戻り奏の学校へ転校してくる。北海道に付き合っていた彼女を置いてきた航生は奏に冷たく接するが、本当は航生もまた奏のことが忘れられなかったのである。
離れ離れの間に発生した誤解が解け再び両思いになることが出来たが、何故か二人の母親は不仲。お陰で付き合いを禁じられ、世を忍ぶ恋となる。
堂々と付き合えないことに苛立ちを感じた奏は耐えられずに別れ話を持ち出すが、航生は思い切って二人の関係を公開することに。
水沢めぐみ作品の独特な世界観、どこにでもいそうなありふれた少女の持つ可能性そして憧れ、そんなものからちょっと外れた、少し大袈裟に言えばいわゆる男女の刹那が描かれている・・・そんな気がした。
もともと熱愛の二人が物理的な別離や親の反対(精神的な抑圧)の中、自分自身の気持ちのありかを模索するさまは、紫門ふみのラブコメにも通ずるものがある。
プレイボーイだが、奏や航生の真の友人星崎隆一朗(ほしざきりゅういちろう)は涙が出るほどいい奴。美人バスケ部マネージャーの安東遥(あんどうはるか)も見た目と裏腹の内面葛藤を持つ。こういったサイドキャラクタの深さも水沢めぐみ作品の面白さであろう。