水沢めぐみ

5月のお茶会   きまぐれな予感
ねむり姫のイブ

 りぼんマスコットコミックスの中では水沢めぐみの初作群。

 画風が現在の水沢めぐみと随分違う。ストーリーも女子中高生のアイデアそのままといった若々しさがあるが、どの話もぴたりと決めるとこは押さえている。このあたりはさすがに未来の大器を予感させる作品である。

作成:01/09/28

きゃらめるダイアリー

 「姫ちゃんのリボン」チックな最近の画風。
 割と真面目路線をひた走る水沢めぐみだが、この作品は異例のおちゃらけもの。もっとも、大きく度を外しているわけでないので水沢ファンでなければ笑えないかもしれないが・・・

 作者が「おばかなキャラクタ、特にマリエさんのシーンはペンが進みました」と言っているように、描き手の楽しさが伝わってくるような1冊。
 実際美人キャラの星河マリエと彼女の取り巻き連中はいい味出していて大いに笑える。

作成:01/11/17
いちごの宝石

収載作品:いちごの宝石・8月の制服・12月の放課後

 少女漫画作家も歳を重ねるうちにレディース誌へと流れていくのはよくあることだ。水沢めぐみもデビュー後20年も経ち、リボンマスコットコミックの作品で「神様のオルゴール」という少女漫画ではかつてタブーともいわれていた妊娠というテーマを扱っている。 水沢めぐみの愛読者層が広がってきたのか、単に編集担当者の試みなのか。
 何かの本で某売れっ子漫画家の対談記を読んだことがあるが、「書きたいものを書くんじゃなくて、求められるものを書くんですよ。プロは」
 今回収載の3作はいずれも小学生高学年あたりを意識的に狙った構成だが、かつての水沢作品に見られたストーリー性が希薄になっているところは残念。短編なのだがらしょうがないかもしれないが、漫画といえども活字離れが危惧される昨今、売る為には判りやすさというのも必要なのだろう。判りやすさといえば、「りぼん」誌を代表するような看板画風である眼の描き方や細かい細工のないはっきりした顔だちは依然健在である。
作成:02/11/03