姫ちゃんのリボン

    作 者:水沢めぐみ
    全巻数:10巻
    出版社:集英社
    初版年:1991年4月
姫ちゃんのリボン


 男の子のように元気いっぱいな中学1年生の姫ちゃんこと野々原姫子は、ある日魔法の国の王女エリカと出会う。
 エリカは魔法の国の課題のため、自分に容姿の良く似た姫ちゃんを1年間観察することになるが、かわりに姫ちゃんは他人に変身できる赤いリボンを預かる。姫ちゃんが生まれてから肌身離さず持ち歩いていたぬいぐるみのポコ太はこのリボンの力でしゃべることが出来るようになり、彼女のよき理解者となる。

 同級生でちょっと素行は悪いが女の子にモテル小林大地。近所の廃屋で訳ありに佇む彼と知り合う姫ちゃんは、その後巻き起こる色々な事件や出来事の中で、リボンでの変身を知る唯一の人間である大地に、助けられ励まされて彼の実直な優しさを理解していく。


 変身、しゃべるぬいぐるみ、ちょっとつっぱってるけど根は真面目な少年。ほのかな恋心。
 想定読者が小学生の女の子なら「これできまりでしょう」的な設定である。
 おちゃめで、おませさんっぽいところもあるけど、やたら毒が多い世の中でここまで文部省推薦的な作品はドラえもんやアンパンマンクラスである。

 エリカとの別れ、しゃべることの出来るようになったぬいぐるみのポコ太との別れの決意。失意の姫ちゃんを支える大地。ポコ太との再開までの最後の一章節、くやしいけど、40過ぎのおじさんも素直に「姫ちゃんよかったね」と涙することの出来る、直球勝負的なストーリー展開がテレビアニメ化を促したのであろう。視聴者層はかなり厚かったそうである。

作成:01/06/12 加筆修正:02/05/04

当ページの画像は、水沢めぐみ作、集英社発行の「姫ちゃんのリボン」1巻,5巻よりスキャンして使用しております。他に転載及び使用されることは堅くお断りします。