作 者:水沢めぐみ 全巻数:3巻 出版社:集英社 初版年:1989年11月 |
立原朝子は、桜坂学園中学校の3年生。始業式の朝、陸上部で活躍する高野良介と出会い、彼を意識し始める。
朝子の幼馴染で大の親友の本橋なみ子はそんな朝子の気持ちにうすうす感づいていたものの、快活な良介に好意を抱き、良介もまたなみ子と付き合い始める。
朝子は、とある一枚の写真がきっかけで写真を撮るようになり、写真部に所属する。また、良介は有名な写真家の息子であり、陸上に傾倒する前は父の真似をしてカメラをいたずらしていたことがあった。そんな彼の偶然の一枚の作品が朝子との運命の赤い糸となる。
うーーむ。掛け値無しの少女漫画!
同じ水沢めぐみでも、テレビ化された「姫ちゃんのリボン」のように、ワクワク冒険あり、ちょっぴりときめきあり、のような間口の広さはないが、コミックで全3巻というボリュームのなかでうまくまとめてある。読後もなかなか爽やである。
登場人物も決して多いほうではなく(朝子・良介・なみ子・良介の親友千葉拓郎・ちょっと嫌な性格の写真部部長の芹沢淳)、朝子となみ子の友情と、同じ人を好きなってしまった思春期の切なさがうまく描かれている。