いくえみ綾、デビュー初期の作品群。
まだ未熟さも残る絵柄と凡庸なストーリーだが、冒険しすぎずかつ非日常的な感覚も少し残して、女子中学生あたりには受けていたのだろう。オジさんにはちょっと退屈な部分も。
作成:02/05/29 加筆修正:02/06/04
「夢をみた。」「すくうる・クールBOY」の2作収載。
「夢をみた。」
可愛がっていた飼い猫のミカが居なくなった晋二は自殺志望の不思議な女の子、ミカと出会う。
体が弱くていつでも仲間はずれだった晋二はどんな時もあと一歩踏み出すことが出来ないが、ミカの一見刹那的に見える賭けのような人生に触発される。お互いを必要と感じることによって二人は救われていく。心象的な描写でほのぼのと。
「すくうる・クールBOY」
好きな娘に告白できない清志。素直に応えられない惠子。少女漫画としてはありきたりのストーリだが、終始清志の観点で描ききっているところが新鮮。
作成:02/06/06
口下手な少年ハル(欣治)、どこにでもいそうな百子(ももこ)、言葉にならなきゃわからないことも多いかもしれないけど、言葉以上に伝えられる何かがあるのも確か。プラトニックラブの世界が沁みわたる。
作成:02/08/05