うめモモさくら

    作 者:鈴木祐美子
    全巻数:10巻
    出版社:集英社
    初版年:1991年4月
うめモモさくら


 中学を卒業した主人公の加賀裕太は、両親亡きあと兄までもが家出してしまう。そんなある日、兄の許婚と名乗る三人の女の子、同い年の宮野木綾子、1歳年上の二階堂祈子、何故か12歳の真行寺千絵が同居することになり、ドタバタした高校生活が始まる。

 そんな日常の中で、裕太は綾子を見つめている自分に気がつくが、なりゆきで綾子の親友である典子と付き合うことになってしまう。典子との日々の中でますます綾子への想いを確信するようになる裕太だが、自分の気持ちに素直になれずに葛藤の日々を過ごす。そんなおり、裕太の親友の坂田が綾子と付き合いはじめる。


 ラブコメディを地でいったような話。

 生粋の少女漫画というのは、独特の画風やストイックなまでの女性視点で、男性読者ははなかなか馴染みにくいものである。

 「うめモモ」は、あだち充の名作「タッチ」のようなまったりさと、少女漫画のような細やかさが同居していて面白い。主人公の裕太とヒロインである綾子、そして裕太にふられてしまうが一途な典子の、男女それぞれの視点からの細やかな心理描写が、どうやらそう思わせるようである。

 作者の鈴木裕美子自身の画風はともかくとして、男性アシスタントが描く表紙ページなどに「弓月光」っぽいHな画があったりする。もともとがヤングジャンプ掲載のいわゆる少年コミック。

 なにはともあれ、青春のときめきをもう一度という方にはお勧めかも。

作成:01/06/09 加筆修正:02/05/05

当ページの画像は、鈴木祐美子作、集英社発行の「うめモモさくら」9巻,10巻よりスキャンして使用しております。他に転載及び使用されることは堅くお断りします。