作 者:佐々木倫子 全巻数:6巻 出版社:小学館 初版年:1995年12月 |
東京の大病院、K病院に勤める新米看護婦「似鳥(ニタトリ)ユキエ」。『おたんこなす』な彼女が繰り広げる、抱腹絶倒ちょっぴりしんみりな病棟の日々が披露される。
原案・取材を看護婦経験のある小林光恵が担当。「動物のお医者さん」もそうだったが、佐々木倫子の作品は取材系がしっかりしていてなかなかプロッぽい。
ドキュメンタリばりな感じの各話に医療現場の結構深刻な事情や患者の苦悩を垣間見ることが出来る。しかし、似鳥のずっこけキャラと、少し明るめの性格にデフォルメされた入院患者達が辛気臭くならずにしてくれている。病棟での療養生活の暇つぶしに「おたんこナース」なんてのも良ゐのでは。
佐々木倫子の画風について一言。
基本的に巧いのか下手なのかよく判らない。老若男女どれもこれもが殆ど差がないような気がするのだが、なんとなくリアルっぽく見えてくるポイントは作者のデッサン力にあるのだと思う。要するにマンガらしくない画なのだ。目の大きさ以外はほぼ実寸で描いている。ドキュメンタリなストーリーによく似合うはずだ。